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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

ジャパンはあまりに“ウブ”だった…判で押したようなモール攻撃でマオリ・オールブラックスに完敗

公開日: 更新日:

 山沢は、「モールでペナルティのアドバンテージが出たらバックスで攻める用意もしていた」と明かしたが、そうなったときに「相手はボールを渡さないように嫌らしいことをやってきた」。

 つまり、勝利に執念を燃やすトップレベルの駆け引きに、対応できなかったのだ。

 それが、先発15人の総キャップ数が52、控えを含めても23人で合計76と、リーチ マイケル(85キャップ)1人分にも及ばない若いチームの限界なのかもしれない。

 やはり共同ゲームキャプテンで、チーム最多の21キャップを持つSH斎藤直人は言う。

「アタックして、ちょっとブレイク(突破)した後のミスが本当に多かった。そこでトライを獲り切らないとテストマッチには勝てない」

 27年W杯オーストラリア大会を見据えた長い強化の第一段階とはいえ、チームの目標は世界の強豪を倒すこと。それなのに、いつまでも選手の見極めに試合が消費され、結果ではなく可能性ばかりがクローズアップされるのでは、代表に対するファンの信頼も揺らぐ。

 若手の発掘・育成と、チーム強化という、矛盾しがちな命題の両立を迫られているジャパンは、この隘路をどう打開するのか。

 7月6日は、豊田スタジアムでふたたびマオリ・オールブラックスに挑む。

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