新横綱大の里“地獄の15日間”が始まった…7月場所過去最多の懸賞2391本に対戦相手も目の色変える
「1日2番相撲を取っているようなもの」
日馬富士(12年11月場所)と鶴竜(現音羽山親方、14年5月場所)は9勝止まり。歴代最多の45回Vを達成した白鵬(07年7月場所)ですら11勝しかできなかった。豊昇龍も新横綱として臨んだ今年3月場所は5勝5敗の時点で途中休場。新横綱の全勝優勝となると、それこそ大の里の師匠の師匠、隆の里(83年9月場所)ただ1人だ。
「横綱昇進1場所目は試練の場所ですから」と、角界OBが続ける。
「大関だったそれまでから、急に土俵の頂点として『横綱、横綱』と持てはやされるようになる。本人にすればまだ横綱として一番も取っていないので実感は湧かず、困惑の方が先に立つはず。横綱としての振る舞いも勉強しなければならない。毎日行う土俵入りも、新横綱にとってのハードルです。土俵入りは所作を正確に行わなければならず、『うまくなってきた頃が引退の時期』と言われるほど慣れるのが大変。精神的にも肉体的にも負担が大きく、大横綱の大鵬さんですら『1日2番相撲を取っているようなもの』とこぼしていた」
加えて、前記の莫大な懸賞だ。当然、対戦相手も目の色を変えて狙いにくる。
「懸賞287本、総額861万円ですからね。大の里にとっても、そして相手にとっても、それだけのカネが“土俵に埋まっている”ことになる。もろもろの重圧や気苦労にさいなまれる中で、彼らの挑戦をはねのけるのは並大抵ではない」(前出のOB)
新横綱、そして両国国技館以来となる40年ぶりの新会場。周囲の祝賀ムードをよそに、大の里の「地獄の15日間」が始まった。
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