英サッカー専門誌の韓国人元編集長に聞く「韓国から見た森保ジャパン」【東アジアE-1選手権連覇】
「韓国のスタッフの条件は20年前と変わりません」
――日本勝利で悲観的になっている部分もあるでしょうが……試合自体はどちらに転んでもおかしくない内容でした。
「日本代表は、欧州で活躍している選手による代表レギュラー組のチームがあり、さらに欧州勢で構成される代表サブ組のチームがあり、もうひとつ<その下>に位置しているのが、今大会に参加したJリーガーたちによるチームです。それでも高いレベルで1対1を制し、試合のリズムを変えたり、ポジションによってプレースタイルを変えたり。日本人選手たちは優れた判断力を披露しました。そういった部分にも差を感じました」
――たとえば日本代表は分析担当者を増やし、韓国代表の戦い方を解析済みだったと思います。
「そこも韓日の違いでしょう。日本は資金に余裕ができるとスタッフにも回しますが、韓国は資金が出来ると多くを選手に分配しようとし、スタッフの条件は20年前と変わりません。選手ばかりに投資してもスポーツサイエンス、相手国分析などに金を使わないのです」
――Jリーグでは、たとえば町田ゼルビアは、日本代表よりも多くのスタッフを抱えています。
「町田と言えば、高校の教師だった黒田剛監督が率いていますよね。韓国の監督は、元代表選手や長くプロとして活躍した選手ばかり。高校教師がKリーグの監督になるなんて考えられません」
――森保監督についてどう見ていますか。
「森保監督は就任して7年目ですか。結果も出しているし、チームの雰囲気も素晴らしいと思います。ただし、いろいろ話を聞くと<日本サッカー全体を背負って、責任まで取らされる>ような印象があります。まるで日本サッカー協会の会長のようです。監督業だけに専念させてあげて欲しいと個人的には思っています」
――東アジア地区で日本と韓国は実力が頭ひとつ抜きん出ています。もっと対戦回数を増やして切磋琢磨するというプランはいかがでしょうか?
「決勝戦後の記者会見で森保監督もそうおっしゃっていましたね。欧州各国の代表との対戦が日程的に難しくなった今、韓日定期戦復活は良いアイデアだと思います。やはり韓日戦というのは<特別な戦い>ですからね。ライバルの日本に決勝で敗れ、韓国のサッカー協会には非難の電話が殺到していることでしょう」