著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

選手盗撮が問題になる国に五輪を2度もやる資格があるのか

公開日: 更新日:

 ウイルスの変異株、第4波到来などと重々しく報じてから一転、聖火リレー走者が笑顔を振りまく……マッチポンプとはこのことだ。聖火リレーが、オリンピックの理念や国民の健康に優先することはない。何が何でもマニュアル通りでは民主主義もクソもない。

 池江璃花子松山英樹の頑張りの一方、この国にオリンピックを2度もやる資格があるのだろうかと、そんながっかりする問題が女性アスリートの盗撮だ。

 水泳、陸上、体操、あらゆる競技で男女均等化が進み、女子の競技レベルは格段に上がった。それを可能にしたのがギア改良で、肌の露出が増すと、そこをローアングルで狙う写真家が登場した――SNS時代、悪質な画像拡散は個人の尊厳を卑しめ、若者の心を傷つける。いやらしい人間は世界中にいる。日本だけではない。しかし、スポーツでこんな問題が起きるのは日本だけだ。感動とか言いながら、何とも情けない話である。

■マリア・シャラポアもカメラマンの標的に

 マリア・シャラポワは日本好きだった。ジュニア時代から来日し、ジャパンオープンでツアー初優勝、17歳でウィンブルドンの頂点に立ってからも毎年のように来日した。カメラマンは早朝から場所取りの列をつくり、その時の“流行語”が「胸ポチ」だ。シャツに突き出た乳首を強調した写真が人気の象徴となり、そのうち、それが代名詞になった。誰かに指摘されたのだろう、ある時期からシャラポワはニップルパッドをつけて日本のことを話さなくなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?