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第6回角川春樹小説賞受賞 鳴神響一氏に聞く

「天然自然の理に抗わないところかな。自然に逆らうことなく武術を駆使し、自分の身を守る。『名を捨て実を取る』というか。そこが面白いと思いますね」

 時は元文、8代将軍吉宗と御三家筆頭の尾張徳川家藩主・宗春の確執が深まる中、尾張徳川家に仕える甲賀忍びの雪野はある命を受ける。吉宗ら幕府の動きを探るため、長崎丸山で遊女・満汐となり、諜報活動を行う密命だ。

「雪野はもともと武家の娘という設定なので、現代の感覚からいったら過酷な運命です。それでも大きな目的のために自分を抑え、感情を押し殺し、務めにいそしむ。彼女の生きざまは毅然としていますが、実は情熱的な女なんです」

 出島の遊郭に潜入した満汐は阿蘭陀から来た医師・ヘンドリックと出会い、引かれあう。

「江戸時代でも異文化交流は行われていました。優秀な幕閣や商人、長崎の遊女あたりはヨーロッパ諸国の事情に精通していたり。我々の想像以上に昔から世界はつながっていたという記録も残っています。異文化交流というテーマを据えると、時代小説の世界観は広がりますから、今後も挑戦していきたいです」

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