「若者はなぜ『決めつける』のか」長山靖生氏

公開日: 更新日:

「大人も若者も、なぜ決断するかというと、決めないと行動できないからです。それ自体は悪いことではありません。問題なのは、決断したことに自己責任論がついてくるようになったことです。もともとは、投資などを繰り返してきた財団や政府諸機関など組織に対して責任を問うたものだったのに、いつのまにか問題がすり替えられ、個人が自己責任を取らされる方向へと追いやられたんですね。

 しかし、責任を取るには、真に実行に伴う諸権限が必要です。若者にそれがあったと言えるかは大いに疑問です。個人、ひいては若者に迫る自己決定・自己責任は、砂漠に置き去りにして、どこへでも自由にどうぞと言うようなものですね」

 そして若者自身も、自分には能力がないことを認めたがらず、そのため自己責任を問われるとそれを担い得ると考える“負の連鎖”が起きていると著者は言う。

「決断することと、決めつけることは似て非なるものです。決めつつも、ときには疑い、修正しながら進んでいくしかありません。今は誰にとっても生きづらい世の中です。犯人捜しをするのではなく、それぞれの立場の『仕方なさ』を理解し合いたいですね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か