「パノララ」柴崎友香著

公開日: 更新日:

 28歳の真紀子は、知人のイチローの実家に居候することに。何かの拍子に、部屋の更新料の工面に苦しんでいることを話したら、とんとん拍子で話が進んだのだ。自営業のイチローの実家は、父親の将春によって増改築が繰り返され、真紀子が住むことになったのは車庫の上の赤い小屋だった。引っ越し後、真紀子はイチローの母みすずが女優で、姉の文と妹の絵波はそれぞれ父親が違うことを知る。

 ある夜、一家と夕食をともにした真紀子が部屋をパノラマ撮影すると、なぜかイチローだけ写っていない。後日、真紀子は彼から「1日が繰り返される」ことがあると打ち明けられる。

 自身もまた日常の歪みにはまる真紀子を主人公に、小説の可能性に挑んだ長編意欲作。(講談社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?