「ヌメロ・ゼロ」ウンベルト・エーコ著、中山エツコ訳

公開日:

 1992年6月6日、ミラノに住むコロンナが目覚めると、自宅の水が出なくなっていた。何者かが、部屋に忍び込み止水栓を閉めたようだ。彼らの狙いは、コロンナが編集部で見聞きしたことを記録したフロッピーディスクのようだ。

 2カ月前、コロンナはシメイから本の執筆を依頼された。本は、彼が編集長を務めることになった日刊紙の創刊準備を記録するというものだった。シメイは、新聞はパイロット版「ヌメロ・ゼロ(0号)」を発行するだけで、創刊されることはないだろうという。出資者のヴィメルカーテの意図を教えられたコロンナは、執筆を引き受け、翌日から新聞の編集室に通っていたのだ。

「薔薇の名前」の著者が、メディアを舞台に情報社会を警告した遺作。

(河出書房新社 880円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の夫は裁判沙汰に…女性芸能人が“成金”を選ぶリスク

  2. 2

    売り込みは好調も…河野景子“豪邸ローン2億円”の逼迫台所

  3. 3

    安倍官邸“大号令”か 厚労省「実質賃金上昇率」水増し工作

  4. 4

    「ストライクが入らない」フランスアは高知で泣いていた

  5. 5

    引退の稀勢の里を支える“太いタニマチ”と6000万円の退職金

  6. 6

    「誰のおかげで飯食ってんだよ」同年代アイドルの怒声に…

  7. 7

    小池都知事「築地守る」の公約違反 跡地にカジノ誘致構想

  8. 8

    首相の姓を? 永田町に飛び交う新年号に「安」採用プラン

  9. 9

    日ハム吉田輝星が明かす 根尾からの刺激と痛感した実力差

  10. 10

    “第2のサンゴ虚報事件”で思い出す安倍首相の朝日新聞批判

もっと見る