「環境再興史」石弘之著

公開日: 更新日:

 1960~70年代にかけて、日本各地で大気や水、土壌が汚染され、騒音や悪臭に脅かされ、公害病が蔓延。野生動物も姿を消し、世界最悪の汚染とまでいわれた。こうした時代をくぐりぬけ、現在は世界のお手本といわれるまでに環境を取り戻している。

 乱獲と生息地の破壊で一時は絶滅したといわれていたタンチョウヅルは、1800羽を超えるまでに回復。泡だらけだった多摩川には年間1000万匹以上のアユが遡上し、深刻な大気汚染都市だった川崎市は「もっとも住みたい町」にランクインするなどの事実が、その劇的な回復ぶりを表している。 

 本書では、普段はニュースなどで取り上げられることが少ないそんな日本の環境の再生への軌跡と、携わった人々の尽力を紹介する。

(KADOKAWA 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  3. 3

    「おむすび」は朝ドラ歴代ワースト視聴率濃厚…NHKは橋本環奈で何を見誤ったのか?

  4. 4

    “レジェンドアナ”近藤サトが明かしたフジテレビアナウンス室の実態

  5. 5

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  1. 6

    5周年のSnow Man“目黒蓮独走”で一抹の不安…水面下のファン離れ&グループ内格差

  2. 7

    テレ朝の名物社員「ナスD」パワハラ&経費不適切使用→懲戒処分が示したテレビのヤバイ昭和体質

  3. 8

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 9

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 10

    兵庫県パワハラ知事は第三者委の「違法」指摘にも居直り反省ゼロ…維新・吉村代表に問われる「製造責任」