「黄昏坂 七人斬り」門田泰明著

公開日: 更新日:

 夜の女たちの髪や化粧を整える「拵屋(こしらえや)」の銀次郎は、ある雪の降る夜に、なじみの居酒屋「おけらや」に物乞いにきた幼女と出会う。主人の六平によると、数日前から客の食べ残しを求めて訪ねてくるという。

 見かねた銀次郎は、自ら金を出して弁当を作らせ、お京と名乗った幼女を送っていく。道中、聞きだしたところによると、お京と母親の命の恩人の女性が病に伏せっているという。3人が暮らすのは、武家育ちを思わせるお京の話しぶりからは想像もできない、極楽橋近くの夜鷹たちがたむろする雑木林だった。翌日、銀次郎は恩人でもある医者の北善に極楽橋への往診を頼む。

 表題作のこの書き下ろしをはじめ、浮世絵師の宗次を主人公にした短編など著者の人気シリーズの神髄が楽しめる傑作選。

(徳間書店 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択