「黄昏坂 七人斬り」門田泰明著

公開日: 更新日:

 夜の女たちの髪や化粧を整える「拵屋(こしらえや)」の銀次郎は、ある雪の降る夜に、なじみの居酒屋「おけらや」に物乞いにきた幼女と出会う。主人の六平によると、数日前から客の食べ残しを求めて訪ねてくるという。

 見かねた銀次郎は、自ら金を出して弁当を作らせ、お京と名乗った幼女を送っていく。道中、聞きだしたところによると、お京と母親の命の恩人の女性が病に伏せっているという。3人が暮らすのは、武家育ちを思わせるお京の話しぶりからは想像もできない、極楽橋近くの夜鷹たちがたむろする雑木林だった。翌日、銀次郎は恩人でもある医者の北善に極楽橋への往診を頼む。

 表題作のこの書き下ろしをはじめ、浮世絵師の宗次を主人公にした短編など著者の人気シリーズの神髄が楽しめる傑作選。

(徳間書店 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」