「ルポ ゲーム条例」山下洋平著

公開日: 更新日:

「ルポ ゲーム条例」山下洋平著

 2020年3月、KSB瀬戸内海放送の記者だった著者は、自社のニュースを見て強烈な「違和感」を覚えた。

 香川県議会がインターネットやゲームの依存症から子どもたちを守るために、18歳未満のスマホ使用を1日60分までに制限するという条例の制定を進めているという。県議会がまとめたパブリックコメントは「賛成」が84.5%。だが、そもそも「反対」「賛成」の項目はなく、内容で振り分けたと考えられる。

 パブリックコメントの「原本」を確認すると、賛成意見の中に「明るい未来」「判断の乏しい大人」など、特徴的な言い回しが何度も使われている。こういう実態が検討委員会の委員にも明らかにされないまま、条例が成立してしまったのだ。

 不透明なゲーム条例制定の過程を追ったドキュメント。

(河出書房新社 1892円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁