「『集団の思い込み』を打ち砕く技術」トッド・ローズ著 門脇弘典訳

公開日: 更新日:

「『集団の思い込み』を打ち砕く技術」トッド・ローズ著 門脇弘典訳

 1928年、米国シラキュース大学で社会心理学を研究していたリチャード・シャンクは、イートンに住む人々が教会から課された社会的禁忌をどう考えているか調査した。彼らは日曜に劇場に行ったり、絵札を使うトランプ遊びをしたりするのは許されないと答えていたのだが、自宅ではトランプをしていたのだ。住民の77%は、自分はトランプをやるが、ほかの人は禁忌に従っているはずだと答えた。自分が多数派であることを自覚していなかったのだ。

 集団に属するほとんどの人が、内心では否定している意見を、ほかの人が許容しているという「集団的幻想」にとらわれている。現代のアメリカでもそういう「自己不一致」に陥っている人は多い。社会の同調バイアスに対抗するためには、「自己一致」がかけがえのない美徳だと理解する必要がある。

「個性学研究所」の心理学者が、「みんな同じ」という意識からの脱却法を教える。

(NHK出版 2640円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か