著者のコラム一覧
嶺里俊介作家

1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。2015年「星宿る虫」で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。著書に「走馬灯症候群」「地棲魚」「地霊都市 東京第24特別区」「昭和怪談」ほか多数。

紡がれていく恐怖 ~『異形コレクション』~

公開日: 更新日:

現在57巻。全編書下ろしの「異形コレクション」

 1冊で多くの作家の作品が楽しめるアンソロジーは、楽しむにはうってつけですね。

 実話系だと各社から実話怪談が毎月のように出ていますが、創作系で現在もなお定期的に刊行されているシリーズを紹介しましょう。

『異形コレクション』シリーズは1998年から始まり、2011年に48巻で一度途切れたものの、再び2020年から続刊となって現在に至ります。その数、実に57巻。

 各巻とも全編書き下ろしで、複数の著者による共著。編集主幹は作家の井上雅彦氏で、シリーズを通じて監修を務めています。

 ホラー作品をただ積み上げているのではない。各巻ともに主題が決められているので、初心者でも好みのテーマが見つかりやすく、取っつきやすい。時代物やSF、喜劇など範囲も広い。旅行には『グランドホテル』『夏のグランドホテル』がオススメです。これは1つのホテルを固定して複数の作家が競作しているので、複数の視点から1つのホテルに関する話を楽しむことができます。

 参加している作家たちもまた、水を得た魚のように自らの作風を思う存分爆発させているので、極めて尖った作品が収録されていることが特色。

 ひとつだけ注意点。恐怖を嗜好とする作家がそれぞれのセンスを滾らせて腕をふるっているので、ディープな作品が多い。最大公約数的な作品は少なく、素数を並べたようなもの。読み手を置き去りにして、突っ走っています。いま、なにがどうなっているのかまったく分からない──そんな置いてけぼりを感じさせることもしばしば。なので、そこは覚悟してください。よしなに。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?