「ヤンキーと地元」打越正行著

公開日: 更新日:

「ヤンキーと地元」打越正行著

 社会学者の著者は、大学院生だった2007年から、「参与観察」という手法で沖縄の若者と行動を共にして調査してきた。対象は、暴走族や解体屋、性風俗店の経営者、そしてヤミ仕事(違法就労)など、社会の下層で生き延びている若者たちだ。

 まずは、レンタルの原付バイクで沖縄の幹線道路ゴーパチ(国道58号)に集う暴走族を追跡。彼らが休憩のために立ち寄ったコンビニで声をかけ話を聞き始めたという。警戒されながらも、次第に信頼を得るようになり彼らと行動を共にするようになる。さらに彼らが昼間働く型枠解体業者の「沖組」で一緒に働く。

 本書は、こうして著者自ら身を投じて彼らの世界に飛び込み、彼らの言葉に耳を傾け、その言葉から、彼らが生きる過酷な現実をあぶり出していくリポート。 (筑摩書房 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 4

    日テレ退職の豊田順子アナが定年&再雇用をスルーした事情…ベテラン局アナ「セカンドキャリア」の明と暗

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    フジ・メディアHD株主総会間近…328億円赤字でも「まだマシ」と思える系列ローカル局の“干上がり”ぶり