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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

離婚の噂を直撃のはずが…吉田拓郎の自宅で見た巨人広島戦

公開日: 更新日:

 近所の聞き込みから取材を開始するが、「あまり見かけない」という話しかない。閑静な住宅街を人気歌手がそうそう出歩くこともあるまい。家に残る妻の直撃に踏み切った。目黒にあった豪邸。一軒家は夜のほうが部屋の明かりで在宅か否かわかりやすい。夜の取材は暗黙のうちに9時ごろまでを常識な時間にしていたこともあり、8時すぎに訪ねた。インターホンなどない時代。玄関の呼び鈴を押した。

「だれだ!」と野太い男の声だった。奥さんがいるはずなのに――。「奥さんに別な男?」、そんなことが頭をよぎった。ドア越しに奥さんの在宅を尋ねると、出てきたのは吉田拓郎本人だった。言葉を失った。

「なんだこんな時間に、女房に何の用だ」と語気を強め、「中に入れ!」と、手を掴まれ部屋に入れられた。外に声が響くことを配慮したのだと思うが、まさかの展開に慌てた。入ってすぐの応接間に通され横に座らせられた。

 ビールを飲みながら巨人広島戦の中継を見ていたのがわかった。広島出身の吉田は熱烈な広島ファン。広島が負けていた。話しかける余地はなく、一緒に野球を見るしかなかった。

 CMの間に「こんな時間になんだ」とお説教が続いた。別居話など切り出せる余裕がない。9時に放送が終了すると、「もう帰れ」と少し穏やかな顔で言われた。帰り際に我慢していたトイレを貸してもらえたのは助かったが、記事はボツに。それから半年後ぐらいに吉田は離婚した。 (つづく)

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