開腹手術経験者は要注意 「腹壁瘢痕ヘルニア」を医師が解説

公開日: 更新日:

 手術は、疾患の内容に個人差が大きく、しかも先の手術で腸が腹壁と癒着していることもあり、難易度が高い。良性疾患なのに手術で新たな症状が生じ、手術前より生活の質が下がっては意味がないため、症状がひどくなければ様子見となることもある。

「私は、患者さんにはまず肥満解消をしてもらい、その後に手術を再検討します。肥満の人は腹部に圧がかかり、腹壁瘢痕ヘルニアを起こしやすい。かつ、大きくなった腹壁瘢痕ヘルニアを手術で体内に戻そうとしても、脂肪が多いと、そのスペースが十分にないからです」(早川副院長)

 腹壁瘢痕ヘルニアを回避するには、肥満にならないようにするしかない。気になる場合は、早い段階でこの疾患治療の経験数が多い医師にチェックしてもらう。治療を受ける時も、経験数の確認は必須だ。

「腹腔鏡下手術は、長い鉗子を操作してモニターを見ながら手術するので、開腹手術より訓練が必要です。日本内視鏡外科学会の技術認定医の資格を持ち、腹壁瘢痕ヘルニアの手術を多数行っているところを選んだ方がいい」(山本医師)

 ちなみに、この資格取得は、限られた医師しか通らない非常に狭き門だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較