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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

【渡瀬恒彦さんのケース】難治性胆のうがんでも“ぴんぴんコロリ”

公開日: 更新日:

 しかし、渡瀬さんは発見から1年以上経過してなお、がんと折り合い、家庭と治療を両立しながら前向きに仕事をされています。この状況は、元日本ハム監督の大沢啓二さん(享年78)が7年前に胆のうがんで亡くなったときと似ています。

■大沢親分と酷似

 大沢さんが、故・菅原文太さん(享年81)の紹介で私の外来にセカンドオピニオンを求めに来られたとき、胆のうがんは報道されていた通り進行した状態。それに加えて糖尿病などの持病があり、手術抗がん剤の治療ができる状態ではありませんでした。

 そんな状態でありながら、亡くなる1カ月前までテレビ出演を継続。何事もないように「喝」を入れていたのが印象的でした。経過のチェックで私の外来に来られても、CTなどの画像検査を受けて雑談するだけ。放射線科医の私ですが、放射線もお勧めしませんでした。肉体的には、そういう状況だったのです。

 がんが進行したケースでは、「何もしない」選択がベストなこともあります。その方が、あまり体力を落とすことなく、亡くなる直前まで仕事ができることが少なくないのです。

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