俳優・真夏竜さん語る「進行性胃がんと闘って得たもの」

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 大病をして得たものは「終わりの覚悟」です。生きていれば確実に「終わり」があるということはみんな知っていることですけれど、そこは遠い話でほとんど意識しませんよね。でも、大病をすると終わりを覚悟するんです。それは今日を生きて、明日生きるためにはいいことだと思います。

 芝居にも影響がありました。昔から「背伸びするな」とか「下手なりに一生懸命やればいい」と言われてきたことが実感できたのは大病をしてからです。背伸びして生き方や考え方を自分以外のところから引っ張ってきても、それは“作った芝居”でしかありません。自分の中にあるものから発信しないと伝わらないことに、やっと気づかせてもらった感じです。そういう意味では、病気に感謝しています。

 余談ですが、病気が発覚する前、大好きなワインの味や匂いが急に変わって受け付けなくなった時期がありました。いま思えば、それも病気の予兆だったのかもしれません。味覚や嗅覚が変わったら、注意したほうがいいかもしれませんね。

▽まなつ・りゅう 1950年神奈川県生まれ。1974年「ウルトラマンレオ」で主役デビューの後、テレビや舞台で活躍するほか、アニメや映画での声優やナレーションなど声の仕事も多数。ラジオ番組「民話の小部屋」(毎週土曜FMフジ)を担当している。東京・六本木のバー「かよ」でも定期的に民話語りライブを行っている。

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