俳優・真夏竜さん語る「進行性胃がんと闘って得たもの」

公開日: 更新日:

 大病をして得たものは「終わりの覚悟」です。生きていれば確実に「終わり」があるということはみんな知っていることですけれど、そこは遠い話でほとんど意識しませんよね。でも、大病をすると終わりを覚悟するんです。それは今日を生きて、明日生きるためにはいいことだと思います。

 芝居にも影響がありました。昔から「背伸びするな」とか「下手なりに一生懸命やればいい」と言われてきたことが実感できたのは大病をしてからです。背伸びして生き方や考え方を自分以外のところから引っ張ってきても、それは“作った芝居”でしかありません。自分の中にあるものから発信しないと伝わらないことに、やっと気づかせてもらった感じです。そういう意味では、病気に感謝しています。

 余談ですが、病気が発覚する前、大好きなワインの味や匂いが急に変わって受け付けなくなった時期がありました。いま思えば、それも病気の予兆だったのかもしれません。味覚や嗅覚が変わったら、注意したほうがいいかもしれませんね。

▽まなつ・りゅう 1950年神奈川県生まれ。1974年「ウルトラマンレオ」で主役デビューの後、テレビや舞台で活躍するほか、アニメや映画での声優やナレーションなど声の仕事も多数。ラジオ番組「民話の小部屋」(毎週土曜FMフジ)を担当している。東京・六本木のバー「かよ」でも定期的に民話語りライブを行っている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ