ノーベル賞学者の愛弟子はオートファジー論文引用世界1位

公開日: 更新日:

 そこへ多くの種類の分解酵素が入っている丸い「リソソーム」という器官が近づいてきて融合。その一体となった袋状の中で、細胞質がアミノ酸に分解される。

 そして、アミノ酸は袋の外に出て、新しいタンパク質の合成にリサイクルされるのだ。

■課題は分子構造のさらなる解明

 このゴミ掃除機能は、病原体が細胞内に侵入した場合も同じように働く。体内の細胞の外ではマクロファージなどの免疫細胞が病原体を退治し、細胞内ではオートファジーがその役割を果たしているという。では、オートファジーの研究が将来的に、医療へどのように応用できる可能性を秘めているのか。

「オートファジーを活性化することで、病気改善につながる使い道を探すことです。この分野の研究者の誰もが思っていることは、脳の神経細胞内に異常タンパク質が蓄積するパーキンソン病などの神経変性疾患の治療に使えないかということです。それが医療への応用のひとつのゴールであることは間違いありません」

 神経細胞は他の細胞と違って分裂(入れ替わり)せず、ほぼ一生のつきあいとなる。そのため、ゴミ(異常タンパク質)がたまりやすい。脳の神経細胞のオートファジーを活性化して、ゴミ処理能力を高めようという考えだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景