腫瘍マーカーの多くはがん細胞の死骸を調べている

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「血液中からがん特有のタンパク質を発見するには、がんがある程度大きくなっていなければなりません。大きくなったがんは、腫瘍の中心まで血液が届かずにがん細胞が死んでしまいます。その死骸がバラバラになって血液中に入り、全身を巡ります。腫瘍マーカーの多くはこの現象を利用しているため、早期の微小がんを発見することはできないのです」

 そもそもがん細胞自体は正常細胞から変化したもの。腫瘍マーカーのなかには正常細胞にも存在するタンパク質もあり、それを目印にしてがんを見つけることは難しい。

 では、何のため腫瘍マーカーを調べるのか?

「治療効果や病状の進行をみるためです。例えば、ある患者さんに抗がん剤や放射線の治療を行ったとしましょう。その前後の腫瘍マーカーを調べてその変化をみれば、治療がどの程度効いたのか、再発リスクがどうかを推測することができます」

 では、治療効果をみるためのPSA検査が健診でがん発見のために使われているのはなぜか。欧米ではPSA検査を受けても死亡率が下がらないか下がってもごくわずかとの研究発表もあり、検査後に手術などの治療を受けて尿失禁などの副作用を受ける例などが報告されている。

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