著者のコラム一覧
吉田潮ライター、イラストレーター

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

<20>認知症との付き合い方は否定せず、急がせず、焦らせず

公開日: 更新日:

 月額利用料が低めかつ安定した特養ではあるがオプションもある。月1回のヘアカットや想定外の薬剤費など、全て市価に比べれば安価だが、ちりも積もれば何とやらだ。

 ケチくさい話だが、具体例を記しておこう。父は「謎のティッシュちぎり癖」があり、まとめ買いしておいたティッシュが一瞬でカラになったことがある。日常生活の細かい部分に目を配る職員が補充してくれたりもする。

 ただし、後日、利用料とともに代金が請求される。家族が用意しておけば激安品で済んだのに、肌触りのよい超高級な製品(母や私は絶対買わないタイプ)が用意されて、無駄な出費となることもある。数十円~数百円でも、長い目で見たら大きい。そこは極力家族で準備しようと、母と誓った。

 ちなみに母と私は連絡ノートを作り、訪問日に何があったか、書きつづるようにしている。時々父もそこに参戦して、何かを書いているのだが、文字と呼べるものではない。それも楽しいし、一種の機能訓練になる。部屋には認知症やケアマッサージの本も置いてある。

 足の裏をオイルマッサージすると、父は不覚にもよだれを垂らしたりする。また、水虫や湿疹、あざなどの皮膚の異変にも気づくことができる。たとえ素人であっても「見る」「触れる」の手足マッサージは効果的である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃