新薬も続々 関節リウマチ治療は現在どこまで進んでいるか

公開日: 更新日:

「ひとつは新たな治療標的分子に対する薬剤の開発です。現在はサイトカインGM―CSFの受容体に対する抗体に関する臨床試験や、複数のサイトカイン経路をブロックするJAK阻害薬の開発が盛んに進められています」

 さらに、予防についても研究が進んでいるという。リウマチの原因は遺伝が20%で、残りの80%は生後の環境であることがわかっている。ここに予防の鍵があると考えられているのだ。

「関節リウマチ発症の4~5年前から体内にリウマトイド因子や抗CCP抗体が出現し、量が増えてきます。そこで、リウマチ家系の人や健康診断で抗体に陽性反応が出た未病の人の発症をどう防ぐか、という研究が行われています」

 治療においてはリウマチ専門医の存在が不可欠だ。現在、日本には80万~100万人の患者がいるとされているが、専門医の地域偏在が大きな課題になっている。

 これを受け、厚労省は今年新たに「リウマチ等対策委員会」を設置。専門医不足を補うべく、薬剤師をはじめとしたリウマチに詳しい医療者を育成し、患者が安心して治療を受けられるように取り組んでいる。

 関節リウマチの治療技術や環境は、大幅に改善されている。そうした恩恵を受けるためには、まずは早期に診断を受けることが重要だ。関節の痛みや腫れが4週間以上続くようなら、病院で診てもらったほうがいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  3. 3

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  4. 4

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  2. 7

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  3. 8

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  4. 9

    【独自!】国民民主党にまた不祥事…63歳“激ヤバ”新人都議がコンサル報酬「不払い」でトンズラ

  5. 10

    【武道館チケット入手記念】2013年ザ・タイガース武道館公演の感想「発掘」