著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

なぜ年1回でほとんど春? 健康診断結果に潜む問題点

公開日: 更新日:

 人には生まれつき持った体質があり、食生活の影響か数値として表れづらい人がいます。

 たとえば、コレステロールは体質が非常に関係している数値です。食生活に気を付け、定期的に運動をしているのに、LDL(悪玉)コレステロールがなかなか下がらない人もいます。この場合、食生活でなんとかするのは難しい。

 ただし、こういう人は日頃の食生活のたまものでLDLコレステロールが高いだけで済んでおり、動脈硬化が進まず、経過観察でOKという場合もあります。逆に少し高いだけでも動脈硬化が進んでしまう場合もあります。

 また、休肝日がなく、毎日ワイン1本程度飲んでいるのに、肝機能の数値が基準値範囲内という人もいます。これも、生まれ持った体質。ただ、ほかの数値は高めだったり、肝機能の数値が基準値範囲内だけど徐々に上がっていったりしていることがあります。毎回の採血は大変ですが、最近の研究ではこれらの変動は体重の変化と関係していると考えられています。これも注目です。

 本来は、1回の結果だけを見るのではなく、過去と比較して数値がどう変化しているか、どの程度の基準値範囲内なのか(ギリギリなのか、余裕なのか)、家族歴はどうかなど、複合的な観点から判断し、今後の対策を講じなくてはなりません。ところが残念ながら、医療者側はそこまでできる時間がない。本人が「自分の体を守るのは自分」という自覚を持って、結果をチェックするしかないのです。

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