著者のコラム一覧
奥真也医師、医学博士、経営学修士。医療未来学者

1962年大阪生まれ。東大医学部卒業後、フランス留学を経て埼玉医科大学総合医療センター放射線科准教授、会津大学教授などを務める。その後、製薬会社、薬事コンサルティング会社、医療機器メーカーに勤務。著書に中高生向けの「未来の医療で働くあなたへ」(河出書房新社)、「人は死ねない」(晶文社)など。

米国の乳がん治療<2>手術も自分で予約しなければ進まない

公開日: 更新日:

 今度の手術は当日入院の翌朝退院。3回とも、手術前ちょこっと言葉を交わすだけで、手術後に外科医に会う、というシーンはありません。退院のときは看護師さんと雑談しながら、なんだかヘアサロンに髪を切りに来たくらいの簡単な退院です。退院時にはまだ体に廃液のための管が入ってます。朝晩2回、自分で廃液量を測定して記録し、診察に持っていく。水曜日に手術して、翌月曜日の診察ではまだ廃液量が多くて抜管できず、木曜日になってやっと抜管。その翌週の木曜日からは、もう乳房再建のために食塩水の注入を開始するというタフなスケジュールです。これらのプロセスの間、ほぼひとりで、病院を訪れ、あれこれと交渉し、サバイバルに乗り切ることになるのです。

 Aさんには「もしかすると、自分が加入している保険ではなく、もっと少し高い保険なら、患者が自ら調べるのでなく、専門知識を持った誰かがやってくれるかもしれないのかな」という思いがよぎったそうですが、米国では、そうでもない話をよく聞きます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」