新型コロナウイルスの決め手となる治療法は今のところない

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスに感染し「ノドに金串が刺さったような耐え難い痛み」を覚えたと本紙(日刊ゲンダイ)に告白した50代の男性は入院後、抗生剤と痛み止めの点滴をした。

 何しろ新型コロナウイルスにはまだ、特効薬もワクチンもない。それだけに、とりあえずつらい症状を緩和する。この男性の場合は「耐え難い痛み」を和らげる鎮痛剤を投与し、自己免疫力による回復を待ったということだ。

 もうひとりの男性は病院でPCR検査を受けた直後、生理食塩水の点滴で一時的ながら劇的に症状が回復したのは、脱水症状が改善されたからだろう。

 血液から有害なものや不要なものを除去する「血液浄化療法」や、志村けんさんが使った「エクモ」を利用した治療などが功を奏したケースはある。が、エクモにしても、悪化した肺を完全に休ませている間に、患者自身の免疫による回復を待つものだ。

 エボラ出血熱の治療薬として開発された抗ウイルス薬の「レムデシビル」、抗インフルエンザ薬の「アビガン」(一般名ファビピラビル)、ぜんそくに使う吸入ステロイド薬「シクレソニド」(商品名オルベスコ)などの適応外使用で症状が改善された例があるにはあるが、要するにまだ“人体実験”をしている段階。

 治療といっても新型コロナウイルスをやっつけるというより、患者の症状を緩和することに主眼が置かれているのが実情だ。

(4月23日発売 日刊ゲンダイ「新型コロナ完全ガイド」より)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも