著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

一般的な抗インフルエンザ薬は6種類 剤形も充実している

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 前回はインフルエンザウイルスについてその種類や特徴を紹介しました。インフルエンザは日本において毎年、推定で年間1000万人以上が感染し、3000人が死亡しています。良い表現ではないかもしれませんが、最も馴染みのあるウイルス感染症と言えるでしょう。毎年のように流行するため、ウイルス感染症の中では、ワクチンや治療薬が充実している感染症でもあります。

 インフルエンザは、それくらい知名度が高く、ワクチンや治療薬が充実しているにもかかわらず、毎年多くの人が感染するうえ、死亡する人も多いのです。猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、ワクチンがなく治療薬も充実していないわけですから、感染拡大を防ぐ「封じ込め」がいかに大切だったかということがわかります。

 インフルエンザに対する抗ウイルス薬は、コロナで有名になった「アビガン」を除き、一般的に用いられるものが6種類あります。そのうち5種類は抗インフルエンザ効果のメカニズムが同じです。インフルエンザウイルスが細胞内で増殖した後、細胞から出てくる際に必要となる「ノイラミニダーゼ」という酵素の働きを抑制することで、ウイルスが細胞から出てこないよう抑え込みます。「タミフル」が代表的な薬です。

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