著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

日本人も対象に研究報告 高学歴で既婚の男性は長生きする

公開日: 更新日:

 過去の研究論文によれば、学歴が高い人や、結婚をしている人は、そうでない人に比べて長生きであることが報告されています。しかし、これまでに報告されている研究データの多くが、社会経済格差の大きな米国で実施されたものであり、格差の小さな国や社会における影響については、よく分かっていませんでした。そんな中、結婚状況や教育水準と死亡リスクの関連を検討した最新の研究論文が、日本疫学会誌の2020年10月号に掲載されました。

 この研究では、65~74歳の日本人2万2415人とフィンランド人1万1993人が解析の対象となりました。日本とフィンランドは、医療制度や教育制度が類似しており、米国と比べても国民の社会経済的格差が小さい国といえます。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、喫煙・飲酒状況などの因子については、統計的に補正をして解析されています。

 5年間にわたる追跡調査の結果、既婚男性と比較した未婚男性の死亡リスクは、日本人で1・47倍、フィンランド人で1・94倍、統計的にも有意に高いことが示されました。他方で、女性では両国ともに婚姻状況と死亡リスクに関連性を認めませんでした。また、教育については日本人男性でのみ関連性を認め、義務教育のみの人と比べて、高等教育を受けた人で31%、統計的にも有意に死亡リスクが低下しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景