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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

正確な中性脂肪値を知るのは困難… ニセの数値であることも

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 さらに中性脂肪が厄介な点は、一日の中でどんどん数値が上がっていく可能性があることです。

 中性脂肪は食後に上昇し、6時間くらいでピークを迎えるといわれています。たとえば、朝7時に朝食を取ると、13時にピークを迎えます。ちょうど昼食の時間ですので、中性脂肪は下がることなくまた上がります。

 昼食後の中性脂肪のピークは19時で、夕食時間と重なり、また数値が上がります。夕食後の中性脂肪がピークを迎えるのは深夜1時。中性脂肪が高くなるような脂っこい食生活を送っている人は、中性脂肪がかなり高いまま一日を過ごしていることになります。

 残念ながら、検査では中性脂肪は空腹時に測定するのが一般的で、食後はチェックしていない。時に食後値のみ高い「隠れ高中性脂肪」もあり、心血管イベント発症に関与しますので、こちらにも注意が必要です。

 空腹時の中性脂肪ですら、正確な数値を把握できていない。食後に関しては、なにをか言わんや、です。自分がどれだけ危険な状態で日々を送っていたか、それをようやく知るのは、脳卒中心筋梗塞を起こしたときなのです。気を付けていただきたいです。

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