無精子症のAI病理診断 男性不妊症治療の普及につながるか

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「このスコアは、約50年前に発表され、今も世界中で使用されています。スコアは1~10点に分かれ、点数が上がるほど精子への分化が進んでいることを示し、8点以上で精子が確認できます」

 点数は1点(細胞成分が認められない)、2点(精祖細胞が認められずセルトリ細胞のみ)、3点(精祖細胞のみ)、4点(精母細胞5~10個)、5点(精母細胞多数)、6点(精子細胞5~10個)、7点(精子細胞多数)、8点(精子5~10匹)、9点(精子多数も精細胞配列が不規則)、10点(精子多数)となっている。

 ОA患者は、精子が採取される割合は高く、8点以上の特徴を示す。NOA患者は、精子採取の割合は低く、主に、1~3点を示すことが多い傾向にあるという。

■正診率は80%以上

 今回、小林准教授の研究グループは、2010年1月から19年12月までに東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターを受診した患者で、ОAまたはNOAでTESEを施行した264症例の病理標本を対象に合計7155枚の病理写真を撮影。4群(1~3点=ラベル1、4~5点=ラベル2、6~7点=ラベル3、8~10点=ラベル4)に分けた。そのうえで機械学習の専門知識がなくても独自の画像認識モデル作成、検証ができるGoogle Cloud「AutoML Vision」を利用し、男性不妊症患者の精巣内の状況を自動的にAI病理診断させるモデルを完成した。

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