著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

男性の治療はどのように進んでいく?患者の6分の1が無精子症

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 一方、NOAの場合は全身麻酔または局所麻酔で実施している施設が半々です。精巣白膜を大きく切開し、精巣を分割します。手術用顕微鏡を用いて、良好な精細管を探索し採取する「マイクロTESE」を行います。シンプルTESEは、約80%以上で精子を採取することができます。

 しかしマイクロTESEの場合は、約30%の精子回収に留まります。少しでも回収率を上げるために、手術室に培養士も一緒に入り、手術で採取した検体をその場で検索することも行っています。

 また、手術後も培養室で全量検索を続けて、精子がいないかどうか確かめています。精子がいた場合は、液体窒素を用いて凍結します。

■合併症でテストステロン値が低下する場合も

 TESEにおける合併症は、精巣組織を採取することでテストステロン値が低下することです。術前の総テストステロン値が3・0ng/ml以下を示す場合は注意が必要です。術後に低テストステロン血症になると、疲れやすくなったりうつ状態になったりします。低テストステロン血症には、内服薬による治療法はありません。テストステロンを注射で投与することになります。個人差にもよりますが、2週間から4週間おきに外来受診が必要になり、継続で注射が必要になります。

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