著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

最初は“他人”が自宅へ来ることに戸惑っていた患者さんが…

公開日: 更新日:

 しばらくして、娘さんからお手紙を頂きました。抜粋して紹介したいと思います。

(以下お手紙の抜粋)

「私と両親とは離れた地で暮らしていますので、当初、父を自宅で介護・看病して看取るということはとても不安でした。一番近くにいる母も高齢で、父が退院してきた頃は痛みで動くことも歩くこともできない状況でした。そんな父と頼りない母を置いて関西に戻るたびに不安と罪悪感とでいっぱいでした。

 当時は正直なところ、GWを迎えられるかどうかと感じていました。しかし次に父と会った時、驚いたことに父が歩行器で歩いていたのです。その後は杖で。まさか、そんな父にもう一度会えるとは思ってもおりませんでした。

 コロナ前のまだ賑やかな銀座の歩行者天国を、車椅子の父と母と散歩し、父の行きつけの中華料理を食べられたあの日は、本当にうれしい一日でした。春には桜を見ることもできました。亡くなる数日前はつらそうにしていましたが、なぜか亡くなる1時間前には母と私と3人で穏やかに笑って過ごせていました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々