著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

ルネサンス期の“3大巨匠”ラファエロの悲恋と瀉血療法

公開日: 更新日:

 孤児から成り上がったイケメン芸術家のラファエロの悲しいところは、本命の女性がいたにもかかわらず、スポンサーの意向を忖度して、好きでもない女性と婚約したり、教会での出世をちらつかされて結婚をためらっているうちに家庭を持つことができなくなり、女性遊びにふけっていたことです。しかも、死につながる病気についても医師にさえ正直に話ができなかった。哀れを感じるのは私だけでしょうか。

 ラファエロの死後60年たって、彼の新たな作品が発見されます。人妻を意味するターバンを頭に巻いた「若い婦人の肖像」です。上半身裸で腕輪にはラファエロが絵の署名に使った「Raphael Vrbinas」が描かれており、ラファエロとモデルとの特殊な関係が見て取れます。

 この絵のモデルは、婚礼の衣装を身にまとった「ヴェールを被る婦人の肖像」と同じパン屋の娘と言われています。女性の名はマルゲリータ・ルティ。彼女こそが本命の女性と言われています。「若い夫人の肖像」はラファエロが密かに描き、最後まで手放さなかったため遺品に埋もれ、発見が遅れたとされています。作品の右下には非売品であることを示す「E・I」のサインが入っていたそうです。

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