著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

運動にはがん予防効果がある 1日15分でもコツコツと続ける

公開日: 更新日:

 その点でいうと、運動はやればやるほど、がん予防につながります。1日15分より、1時間の方が、週に1回より、毎日の方が効果的です。私も毎朝、仕事の前にジムで汗を流しています。特に男性では、大腸がん肝臓がん、すい臓がんは、活動量が増えるほど発症リスクが低い。

 WHO(世界保健機関)や米国のガイドラインで、1日30分、週5日以上の運動が推奨されるのは、運動が健康維持のカギであることにほかなりません。「健康日本21」が勧める1日30分以上、週2回以上は、国際的にみるとかなり控えめ。もっと積極的に運動してほしいと思います。

 運動がなぜがんを予防するのか、詳しいメカニズムは解明されていませんが、スウェーデンの研究結果が興味深い。手術肥満を改善した糖尿病患者と重度の肥満と糖尿病がある患者に分けて、21年間(中央値)追跡。すると、肥満を改善すると、がんの発症リスクが37%低下。さらに肥満と血糖コントロールの両方を改善すると、がんの発症が60%減少することが分かりました。

 運動も、肥満と糖尿病の改善に貢献するので、この研究結果は注目でしょう。ただし、激しい運動は活性酸素を増加させるため、逆効果に。ウオーキングなど適度な運動を毎日続けることを心掛けてください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ