著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米国のドラッグストアから粉ミルクが消えた! 深刻品不足で赤ちゃんの健康が危機的状況に

公開日: 更新日:

 アメリカではドラッグストアから粉ミルクが消え、赤ちゃんの健康に脅威を与えています。5月中旬現在、全米の粉ミルクの品切れ率は4割強と発表されていますが、著者の近所のドラッグストアの商品棚はほぼ空っぽでした。

 大手医療機器医薬品企業アボットの工場で作られた粉ミルクで、4人の赤ちゃんが細菌感染し、そのうち2人が亡くなったと伝えられたのが今年2月。大規模なリコールが行われ工場は閉鎖に追い込まれました。しかし1つのブランドのリコールと工場閉鎖でなぜこれほどの品不足が生まれたのか?

 もちろんコロナ禍が原因の流通問題もありますが、専門家が最大の理由として指摘するのは、粉ミルクを生産している企業は大手3社のみという点です。つまり寡占状態で、その1つが生産停止してしまったために、すべての歯車が狂ってしまったのです。

 そしてこの寡占は、想像以上に粉ミルク市場に悪い影響を与えていることがわかってきました。

 実はこの感染問題は昨年秋の時点で内部告発があったにもかかわらず、会社とそれを管理する国の機関FDA(アメリカ食品医薬品局)の対策が遅れたために、工場閉鎖にまで発展してしまいました。その裏には無理をしてでも利益を追求する業界の体質があったと指摘されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波