著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

クスリは正しいタイミングで飲まないと効果が十分に発揮されない

公開日: 更新日:

「食前」にクスリを服用しなければならない理由はいくつかあります。主なものとして、①食事による影響を抑えることを目的としている②食事による影響を受けないようにしている--が挙げられます。

 ①は主に糖尿病血糖値に関するもので、膵臓からインスリンを出させるクスリは「食前」に服用することで食後の血糖値の上昇を抑えることができます。

 ②はいろいろあって、たとえば脂に溶けやすいようなクスリでは食後に服用すると吸収が良くなりすぎて逆に副作用のリスクが増えてしまいます。クスリによっては、そうした食事中に含まれる成分により効果に影響が出てしまうケースがあるため、それを回避する目的で「食前」に服用する必要があるのです。

 ちなみに「食間」は【食事終了2時間後】のことをいい、この目的も②に準じます。

「食前」のクスリを「食直前」に、あるいは「食直前」のクスリを「食前」に服用することは絶対にやめてください。クスリの効果が最大に発揮される時間を考慮して「食前」あるいは「食直前」が決められているので、時間がずれてしまうと効果が十分に得られないだけでなく、場合によっては副作用の原因となります。

 高齢者で多くの種類のクスリを服用していると、飲み方がすごく複雑だと感じている方もいらっしゃるでしょう。しかし、それぞれのクスリの飲み方にはちゃんと意味があります。それらを理解して、より安全かつ効果的にクスリと付き合っていきましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?