岸田政権が推し進める「国民皆歯科健診」にはこれだけの課題が

公開日: 更新日:

「国民皆歯科健診」という言葉をご存じだろうか。すべての国民が生涯を通じて歯科健診を受ける仕組みのことで、今月初めに政府が閣議決定した経済財政運営の指針となる「骨太の方針」に盛り込まれ、注目されている。現時点では、実現に向けて具体的な検討を始めるという段階で詳細については決まっていないが、歯科治療の現場ではどう受け止められているのか。

 ◇  ◇  ◇

 かねて、厚労省は「8020運動」(80歳の時点で自分の歯を20本残す)を進めていて、これまでの「骨太の方針」にも、「生涯にわたって歯科健診を強化すべき」と書かれていた。今回の記載はその方針をより強化しようという印象を受ける。歯周病や虫歯を予防するための口腔ケアは、全身の健康にとって重要であることが明らかになっているからだ。都内にある歯科医院の院長が言う。

「近年、歯周病が悪化すると、糖尿病、高血圧、脳血管疾患、心臓血管疾患がん認知症をはじめ、全身の病気の発症リスクが高くなることが複数の研究で報告されています。口腔内の歯周病菌が血液に入り込んで全身に行き渡ったり、歯周病菌が放出する毒素によって引き起こされる歯肉や粘膜の慢性的な炎症が、さまざまな病気のリスクを高めるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも