岸田政権が推し進める「国民皆歯科健診」にはこれだけの課題が

公開日: 更新日:

 国民皆歯科健診が1年に1回で内容も簡易的となれば、それのみでは十分な効果が期待できない可能性があるのだ。

 かといって、期間を半年に1回、内容も一般的な歯周基本治療の検査と同程度にしようとしても、高いハードルがある。

「施設によって違いはありますが、当院では1人につき1時間かけて歯周病の検査を実施しています。現在、日本では専門的な処置ができる歯科衛生士が不足していて、歯科医院の多くは慢性的な人材不足です。国民皆歯科健診が全額公費負担になって診療報酬の点数が低いとなった場合、歓迎する歯科医院は少ないと考えられます。実施のペースや内容に加え、専門職の人材確保や費用の問題について、しっかり議論する必要があります」(前出の歯科医院院長)

 現在、歯科健診は1歳半、3歳児、学校に通う高校生まで義務付けられているが、大学生や社会人は対象になっていない。また、自治体によっては40歳から10年に1度の歯周病疾患検診を実施しているが、受診率は5%程度と低く、過去1年に歯科健診を受けた人も52.9%にとどまっている。

 国民皆歯科健診をきっかけに一人一人の口腔ケアに対する意識が高まり、その後は定期的な歯のメンテナンスに取り組むようになれば、大きな意義があるといえる。ただ、そのためにはクリアしなければならない問題があるのが現状のようだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状