著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

インスリンは冷蔵庫で保存しなければならないのはなぜ?

公開日: 更新日:

 糖尿病の治療で「インスリン」を使用している高齢者もいらっしゃるのではないでしょうか。以前、糖尿病とクスリについて紹介しましたが、今回はインスリンの治療ではなく保存方法についてお話しします。

 薬局でインスリンを受け取る際、薬袋に「冷所で保存してください」と記載されているはずです。ここでいう「冷所」とは、多くの場合「凍結をさけて2~8度」の場所=「冷蔵庫」を意味しています。実際、薬局などでは冷所保存のクスリは4~5度に設定された冷蔵庫に入れて保存しており、毎日冷蔵庫内の温度を厳密に管理しています。インスリンも冷所保存のクスリになります。

 事実、インスリンは糖尿病の治療に用いるクスリではありますが、本来は膵臓(すいぞう)から分泌されている血糖値を一定に保つ働きを持つホルモンで、ホルモンはタンパク質でできています。この「タンパク質でできている」というところがインスリンを冷所保存しなければならない理由です。

 タンパク質はさまざまな要因で変性、つまり性質が変わってしまいます。この要因には熱も含まれます。たとえば、生卵の白身は透明ですが、目玉焼きにしたりゆで卵にしたときの白身は文字通り白くなります。これは調理の過程で卵に熱が加わったことで、タンパク質(ここでは白身)が変性した結果、起こる現象です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも