著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「肩腱板断裂」では手術とPRP療法の組み合わせがおすすめ

公開日: 更新日:

 これまでのコラムで、私はPRP療法では病気の重症度で効果が異なることをお話ししました。重症度は予後を判定する上で重要であるから主治医にお聞きくださいということもお伝えしました。

 今回は肩腱板断裂の手術にPRP療法を施した結果、PRP療法を加えたほうが、肩腱板断裂手術だけの結果よりいい結果が出るという報告をいくつかご紹介します。

 1つ目は、Zhangという方が2022年にArthroscopyという雑誌に報告した研究です。肩腱板断裂に対してControl群(肩腱板断裂手術)との比較で臨床スコア、疼痛(とうつう)の程度には有意差がなかった。腱板治癒はPRP療法を追加した群が優れ、脂肪がまじった腱板筋肉も脂肪が減少したと報告しています。

 2つ目は、Villarrealという医師が2021年にArthroscopyという雑誌に報告した研究です。肩腱板断裂に対してControl群(肩腱板断裂手術)との比較で臨床スコア、疼痛の程度には有意差をもってPRP療法併用群の方が、腱板治癒が優れていた。この研究の注目すべき点は、断裂の程度によらず、併用群が優れていたということです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景