認知症の人と心を交わす「バリデーション」の具体的な方法は?

公開日: 更新日:

 以前、当施設に入居される90代の女性が、深夜に慌てた様子で「今すぐお父さんの手伝いに行かなきゃ!」とスタッフに訴えているのを目にしました。話を聞くと、そのお父さんは都内で焼き鳥屋さんを営んでいるといいます。「お父さんが大変そうに感じるのはどういうとき?」「今すぐ行かなきゃいけないの?」など、いくつか質問を投げかけていると、「そういえば家族のために働きすぎて死んでしまったんだわ……」と涙をこぼされていました。

 認知症の方は、心の奥底ではすでに親が亡くなっているのを分かっていながら、親に対する後悔や無念が残っていて「会いたい」や「助けたい」といった言動につながっているケースも少なくありません。

 ここまで紹介してきたのはひとつの例にしか過ぎません。認知症の方の状態はさまざまです。バリデーションではその個々の状態に合わせたテクニックを使います。他にも言語的、非言語的テクニックがありますが、いずれにせよ、共感を持ち、相手の気持ちに寄り添うことが何より大切です。

 バリデーションを通して心の奥底に隠されていた感情が表出されると、本人の不安やストレスが和らいで落ち着きを取り戻せるだけでなく、介護者側も興奮を引き起こす理由が分かると介護ストレスが軽減されていくのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が参院自民にイライラMAXで爆発寸前! 予算案の年度内成立断念で身内に八つ当たりの醜悪

  2. 2

    世界陸上マラソンで金メダル谷口浩美さんは年金もらい、炊事洗濯の私生活。通学路の旗振り当番も日課に

  3. 3

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  4. 4

    武豊プロミストジーンを勝利に導く「第3回兵庫女王盃(JpnⅢ)」~園田競馬

  5. 5

    地方での「高市効果」に限界か…東京・清瀬市長選で自民現職が共産候補に敗れる衝撃

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    第2子妊娠の倖田來未が18年前の“羊水発言”蒸し返されるお気の毒…SNSには「擦られすぎ」と同情の声

  3. 8

    ナフサ供給に暗雲で迫る医療危機…それでも高市政権「患者不安」置き去りの冷酷非情

  4. 9

    Wソックス村上宗隆にメジャーOB&米メディアが衝撃予想 「1年目にいきなり放出」の信憑性

  5. 10

    全国模試1位の長男が中学受験、結果は…“ゲッツ‼”ダンディ坂野さんに聞いた 子への接し方、協力の仕方