血液がドロドロに濃くなる「多血症」には要注意…血栓ができやすくなる

公開日: 更新日:

 頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、視覚障害といった症状に悩んでいる人は「多血症」かもしれない。血液中の赤血球の濃度が高くなる病気で、放置していると命に関わる病気につながる危険もある。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に詳しく聞いた。

 われわれの血液は、血漿という液体成分と、赤血球、白血球、血小板などの血球と呼ばれる細胞成分で構成されている。その中の赤血球の濃度の目安になるのが「ヘモグロビン濃度」と「ヘマトクリット値」で、前者は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量、後者は血液中に赤血球が占める割合を示す。WHO(世界保健機関)の2017年の基準では、男性は【ヘモグロビン濃度:16.5g/デシリットルまたはヘマトクリット値:49%】、女性は【ヘモグロビン濃度:16.0g/デシリットルまたはヘマトクリット値:48%】を超えると、多血症と診断される。

「赤血球が増えすぎると、血液が濃くなって粘度も上がり末梢の血流が悪化するので、頭痛、めまい、耳鳴り、疲労しやすい、視界のゆがみなどの症状が現れたり、目や口内の粘膜の充血、皮膚のかゆみが生じることもあります。さらに、濃くて粘度の高い血は固まりやすいので、血栓が血管に詰まって脳梗塞心筋梗塞などの命に関わる病気が生じるリスクも上がります。多血症そのものが生命に関わるケースはほぼありませんが、深刻な合併症を引き起こす危険があるため早めの治療が必要です」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?