著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「紙の本」のほうが電子書籍より脳への定着率が高い

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 この論文によると、スクロールによって自分が読んでいる箇所の空間的な把握が難しくなることが、理解の障害になるとしています。つまり、スクロールを必要としない短い文章なら、双方に差異は生じないかもしれません。しかし、マンガンは文章を読むだけならPDFにネガティブな要素は少ないかもしれないが、理解については紙のほうがよいと結論付けています。

 近年、文字は読めるけれど、内容が理解できない人が増えていると感じます。その理由に、スマホやパソコンの画面の進化と、映像文化の隆盛が関係していることは明らかでしょう。

 現代は、YouTubeやTikTokが生活に根付き、映像を見る時間が圧倒的に多くなっています。文字を読むのが苦手という学生に出会うのも日常茶飯事です。といいながら、私自身、SNSでの連絡をしてしまうのですが……。

 受験や資格試験などの問題文の意図の理解は、問題を解く基本の「き」 です。内容を理解できなければ、正解にたどり着くのは至難の業です。読解力や集中力などに不安がある方は、紙ベースの勉強を増やしてみてもいいのではないでしょうか。赤ペンやマーカーを引きながら読めば、さらに頭に入ってきやすくなります。

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