(1)たった一度の成功体験でハマってしまう…「行為」の依存症
「痴漢を繰り返してきた患者さんに、『ガラガラの電車内で痴漢をしたことがありますか?』と聞くと、決まって『それはない』と答えます。ガラガラの電車内で痴漢をすれば必ずばれる、つまりチャレンジにはなりません。また、痴漢が服の上から胸や尻を触ろうとするのは、“女性の胸や尻は社会文化的に触れてはいけない”からです。そのため痴漢は、風俗店やお触りパブのようなところへは行きません。そうしたお店は“(契約上)触っても問題のない場所”であるため、彼らが求めるチャレンジにはなりえないからです」
恐ろしいのは、脳内からドーパミンが分泌されると、本人はその指令にあらがうことができない点だ。そのため、彼らは何度捕まっても、チャレンジできそうな場面に遭遇するたびに痴漢や盗撮を行ってしまうというのだ。
チャレンジ依存症を克服するためには何が必要なのか──。次回以降、詳述していく。