著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

整腸剤の“正体”は善玉菌をクスリにしたもの…腸内環境を良くする

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 整腸剤は1種類の善玉菌でできているものと、複数種類でできているものがあります。また、錠剤と散剤があります。

 善玉菌の中には、納豆菌のように胃酸で死滅しないものもありますが、死滅してしまうものも当然あります。そのため、「整腸剤を服用しても意味がないケースもあるんじゃないか」と思われるかもしれませんが、そこは安心してください。死滅した菌にも整腸作用があることがわかっているのです。

 さて、腸は食べ物や水分を消化して吸収するところだと思っていませんか? それももちろん正解なのですが、実はそれだけではありません。腸には免疫を担当する細胞が多く存在していて、体の免疫機能にとっても腸は極めて重要な臓器なのです。そのため、腸内フローラが崩れた状態が長く続くと、免疫力が低下して思わぬ疾患にかかるリスクもあります。また、腸内の悪玉菌が出す毒素が大腸がんの原因のひとつであることもわかっているため、できるだけ良い環境を維持したいものです。

 クスリとして整腸剤を服用するのもひとつの手ですが、やはり基本は食生活です。納豆やヨーグルトなどの発酵食品には善玉菌が多く含まれており、健康に良いといわれています。日本食には発酵食品が多いので、腸内フローラにとっては理想的な食べ物です。整腸剤を服用する前に、一度、ご自身の食生活を見直すのも大事なことですね。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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