著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

医師が告げる「診断名」は祝詞と同じか…臨床現場は「漢字」に助けられている

公開日: 更新日:

 映画「打撃王」(米1942年)では、連続試合出場記録更新中のルー・ゲーリッグは凡フライをたびたび落球することで試合を休んでメイヨー・クリニックを受診します。そして医師から「筋萎縮性側索硬化症」という病名を告げられます。英語の診断名も、漢字の配列と同じ順番でラテン語を並べた語句です。言われてすぐに理解できる人はいないでしょう。

 欧米圏でも古代ローマの言葉「ラテン語」は、「なんだか難しいけどありがたい言葉」と、マーケティング的に言うとプレファレス度の高い、つまりブランド・エクイティーの高い、まさに文化の神髄であり続けているようです。

 漢字は実に美しい文字です。そして1文字で独立した深い意味をもっています。シンガポールにいたとき同僚の客家人に子供が生まれたときのことです。同僚の父親、つまりおじいさんが「翠」という名前を付けました。彼は私に「これ、どういう意味?」と尋ねてきました。

 裕福な家庭でしっかりと教育を受けた誇り高き「南洋華人」でも、漢字の深い意味には詳しくないようです。同時に彼らは「日本人って古い中国の文化をそのまま受け継いでいる」との良い評価があるように感じます。多くの華人(さまざまな中国人を総称した敬称)がそう考えているなら日本人として誇らしい限りです。

 でも最近、そんなありがたい漢字をどう書くのか、ほとんど忘れちゃいました! 「不立文字」を実践しています! 

【連載】医療のミカタ 医療のフシギ

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃