(2)発酵性食物繊維は一般的な「食物繊維」とはどう違うのか
「今までは、水溶性か不溶性かでよかったのですが、生理機能、体にどう良い影響があるかという観点からすると、水に溶ける、溶けないだけでは分類できなくなってしまったのです」と、日本食物繊維学会理事長で大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は話す。
「そのような分類よりもむしろ、腸内細菌が利用できるのかできないのか、それが一番体にとって大事ですので、世界的にそうした分類をするようになってきました」
腸内細菌が利用できるかどうか、善玉菌のエサになりやすいかどうかということは、発酵しやすいか、しにくいかということだ。発酵とは菌がヒトにとっていいものを産生することだ。
それでは、どの食物繊維が発酵しやすい発酵性食物繊維なのだろうか。
発酵性食物繊維は、
①低分子水溶性食物繊維
②高分子水溶性食物繊維
③不溶性食物繊維
の3種類に分けられる。
食物繊維の成分名でいうと、①は、ごぼうなどの根菜類に多いイヌリンや豆類に多いオリゴフルクトースなど。②は、オートミールなどの穀類に多いベータグルカンや野菜・果物に多いペクチン。③は全粒小麦などに多いアラビノキシランやイモ類に多い難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)などだ。