「排泄」をしっかりコントロールするためにはトレーニングが有効
尿失禁対策には会陰部の括約筋を鍛えるための「骨盤底筋体操」が良いとされています。あおむけに寝て足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立てます。その姿勢のまま5秒ほど肛門、尿道、膣をじわじわ引き上げる感じで締めた後、ゆっくり力を緩めます。この動作を1分間のサイクルで10回繰り返します。
こうした括約筋トレーニングは、寝た姿勢、座った姿勢、立った姿勢をはじめ、さまざまな方法がありますから、自分の体力や生活パターンに合ったものを日常生活に取り入れるといいでしょう。
■日常生活に組み込む
私が外来で診ている1人暮らししている高齢の男性患者さんは、食事の際にお総菜や冷凍食品を電子レンジで温めるとき、3分でも5分でも、待っている間はスクワットをして下半身の筋肉を鍛えているそうです。日常生活の中に上手にトレーニングを組み込んでいる好例といえるでしょう。
今後、ますます超高齢化が進む日本では、排泄トラブルは大きな社会問題になる可能性があります。その対策のひとつとして、市中のトレーニングジムや運動施設のプログラムに、先ほど触れたような高齢者向けの排泄系トラブルを予防・改善するトレーニングを組み込む方法も良いかもしれません。