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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

声優の櫻井智さんが他界…多臓器がんは複数あっても延命できる可能性も

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 複数の原発がんができると、厄介だと思われるかもしれませんが、必ずしもそんなことはありません。がんは治療を終えると、経過観察が続きます。その検査をキチンと受けていれば、次に見つかるがんは早期のことが多く、早期発見、早期治療で2つ目のがんを克服できることはよくあります。堀さんがいまも元気に活躍されていることがその証左です。

 スモーカーの場合は、喉頭がんと肺がんもよくあります。また、BRCAという遺伝子に変異があると、乳がんと卵巣がんを重複しやすく、米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが13年から15年にかけて両方の乳房と卵巣卵管を予防的に切除したことは、世界的に報じられました。彼女は、母と叔母を乳がんと卵巣がんで亡くしていて、検査で遺伝子変異を受け継いでいたことが判明したことによる予防切除でした。

 日米の女性2人の活躍からも分かるように、重複がんといっても、適切な治療を受ければ、決して怖くはありません。櫻井さんのご冥福をお祈りします。

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