「第二の脳」腸内マイクロバイオータは3歳までに形成される

公開日: 更新日:

「英国のサンガー研究所がまとめた研究は、英国内で生まれた596人の乳児(自然分娩児314人、帝王切開児282人)の糞便に含まれるDNAを生後4日、7日、21日に採取して分析したものです。帝王切開児は自然分娩児に比べて母親由来の腸内細菌が少なく、病院環境由来の細菌が多く定着していたと報告されています」

 しかし、その違いは時間が経つにつれ減少したという。例外はバクテロイデス属と呼ばれるありふれた細菌で、生後数カ月過ぎても腸内細菌叢にまったく見られないか、見られても通常の6割程度にとどまったという。バクテロイデス属の一部の細菌は宿主の免疫系に影響を与えていることが報告されている。

 そのせいか、帝王切開児は自然分娩児に比べてアレルギー、肥満、1型糖尿病などのリスクが高いとの報告もあり、背景に腸内細菌叢形成の差異が関係しているのでは、との見方もある。

 また、母乳保育と人工乳保育とで違いが現れることも報告されている。

 母乳で育った乳児の腸内細菌叢にはビフィズス菌が優勢になる傾向があり、免疫機能の改善や健康の発達を支えるという。母乳には、ヒトミルクオリゴ糖やラクトフェリンなど、ビフィズス菌の増殖を助ける成分が含まれているからと考えられている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ