膀胱がんで「全摘」とならないために知っておきたい3つのポイント
また、膀胱がんを疑う症状が見られてから受診まで1カ月超の患者が2割弱いた。その理由として「受診することの心理的抵抗」「症状が軽度であったため」が34%だった。
「筋層非浸潤性でステージ1では5年生存率が97%ですが、進行しステージが上がっていくと生存率も下がり、転移性のステージ4になると5年生存率9%です。いかに早く発見し局所でコントロールするかが重要です」
内科でずっと診てもらっていて、最終的に泌尿器科を受診するまで3カ月以上要した患者もいたという。尿関連で異変を覚えたら、泌尿器科の受診を。
「血尿に関しても、出たり出なかったりするのが膀胱がん。トイレの明かりの加減で血尿のカラーを見逃すこともあります。健診を定期的に受けることをお勧めします」
なお、前出のアンケートでは、膀胱がん疑いのきっかけで血尿の次に多かったのが「健康診断・人間ドックで指摘された(17%)」だった。
■遺伝子治療薬の承認を申請中
膀胱がんと診断されたら、尿道から内視鏡を挿入し、膀胱内のがんを電気メスで切除する「TURBT」という治療が行われる。これは検査も兼ねており、切除した組織を調べ、がんの広がりや深さの診断を行う。